

受験生の皆さんこんにちは。
鬼コーチからのメッセージ第2弾です。このメッセージを初めて読む人は、ぜひ4月のメッセージも読んでくださいね。
さて、6月に入り、暑い日も増えてきました。否応なしに受験の天王山ともいわれる夏が近づき、「センター試験まで8か月切ったよー!」などという会話をしている人も多いでしょう。
しかし、焦りは禁物。ここは冷静に受験と向き合いましょう。
今日は「志望校を選ぶ」ことについてお話します。そうはいっても、現時点での実力、将来のビジョンややりたいこと、大学で勉強できる内容、就職率や資格取得率、家族の方の意見、経済面などなど、志望校選びにはいいろいろな要素があります。そのすべてについての話ではありません。また、「オープンキャンパスに行きましょう!」「周りの人と話し合いましょう!」といった、当たり前のことでもありません。
激戦を乗り越える覚悟を持とう
大学全入時代といわれますが、全国の私立大学志願者の半数が、東京と大阪の22大学に集中しているというデータがあります。 全国の私立大学定員のたった4%の学校です。また、岐阜大学医学部医学科(前期)のように志願倍率が約20倍に及ぶところもあります。不況や就職難の気運から、国公立大学や大都市部の有名私大あるいは資格系の大学は、激戦状態となっているのです。行きたい人が増えれば難易度も高くなるのは、当然のこと。目指すからにはかなりの「覚悟」が必要です。問題は、その「覚悟を持てるか」です。
何をやるかではなく、どんな姿勢で取り組むか、が重要
一方、志願者の集まらない大学は、AO入試や推薦枠を増やして一般入試の募集枠や入試教科数を減らします。中には一般入試率10%という学校や、センター試験1教科だけの管理栄養士養成の大学も。その結果、国家資格の合格率や就職率などが壊滅的な学校も多いのです。
そもそも世の中の仕事の種類は、高校生が頭に思い浮かべられる程度の数ではありません。その数は数万種類ともいわれます。例えば、「公務員」と言ってもその仕事内容は多岐にわたります。
将来どの仕事でどのように社会で活躍できるかは、学生時代にどんな姿勢で、どれだけ知識やスキルを身につけてきたかで決まります。志望校選びを機に、自分の特性を生かし、どんなことを学び、どんな社会人になるか、をしっかり考えましょう。
楽に大学に入ることを求めてはいけない
鬼コーチは「楽に大学に入りたい」という受験生が増えている傾向を危惧しています。
受験勉強はゴロ合わせで楽に覚えておしまいとか、高校の先生に勧められるままにAO入試で大学を決めてしまおうとか、勉強が間に合わないから2科目型の私大でいいやとか、偏差値だからこの大学でいいや、などといった姿勢で大学を選んではいけません。
大学生の留年(進級できない)率はどれくらいだと思いますか? 残念な大学の残念な生徒だけの問題だと思っていませんか? 国公立大学でも留年率25%以上の大学は多数あるのです。
必ずしも「日本の大学は入るのは難しいが、出るのは簡単」とは言えないのです。大学合格は、人生のゴールではありません。卒業後の洋々たる将来のための努力は大学に入ってから本格的にスタートする、ともいえるわけです。
浪人したくないから、と楽な道を選んで大学に入っても、そんな考え方のままでは、「留年」してしまう可能性は高まります。そして、これは「留年」だけの問題ではありません。当然、就職にも悪影響を及ぼします。
「しっかり受験に向き合っておけば良かった」と後悔したり、将来の失望につながるようなことにならないよう、覚悟を持って志望校を決めましょう。
志望校を決める「ものさし」を増やす
偏差値や、キャンパスの位置など、少ない基準(ものさし)だけで大学を選んではいけません。研究機関としての設備や研究内容、資格の取得率、留学制度、独自のカリキュラム、交通や寮、奨学金制度、就職先などのデータ(ものさし)をしっかり集めましょう。さらに、オープンキャンパスや説明会で、建物や環境、教育理念などを自分の目で耳で理解しましょう。その上で、志望校を多角的に比較しましょう。さらに進学後の自分がキャンパスにいることをイメージしてみましょう。
志望校選びは、自分を見つめなおすいい機会にもなります。自分の特性を活かせる大学かどうかをよく考え、自分の将来を想像してみましょう。そして、志望大学で学ぶことへの強い意欲を持つことを通して、入学への意志を固めましょう。